- 2016/03/24(木)
- 農業を志す方々へ ―デイリーパラダイス 伊藤立さん―
デイリーパラダイス ~ 酪農の楽園~ を創る
JR豊橋駅から車で1時間弱。のどかな田園風景が広がる愛知県田原市にデイリーパラダイスはあります。
牧場へ足を踏み入れると、ミュージックシャワーを浴びた牛たちが、清潔に保たれた牛舎でのびのびと過ごしています。
経営者の伊藤立(いとうたつる)さんは、上京してサラリーマンを12年間勤めた後、27歳の時に脱サラし愛知県田原市へUターン就農。酪農家の両親のもとに生まれはしたものの、次男であったため地元の酪農団地に参加し新規就農。デイリーパラダイスを設立しました。サラリーマン人生を12年、酪農家人生を37年。様々な経験を経た伊藤さんより、酪農への想いや独立を目指す方へのメッセージを伺いました。
【伊藤立さんプロフィール】
愛知県田原市出身。酪農家の次男として生まれる。
中学卒業後、上京し12年間サラリーマンとして営業を経験。
1979年 脱サラし、田原市へ戻る。27歳の時、デイリーパラダイス設立
2000年 酪農教育ファーム及び地域交流牧場全国連絡会参加
2010年 Sweets&Gelateria Baroqueオープン♪
自家産牛乳を原料としたジェラート・スイーツを製造販売
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▼▼現在、デイリーパラダイスでは従業員を募集中です。
ご興味のある方はこちらからどうぞ▼▼
http://www.agreen.jp/job/detail.php?job_id=186
(自家産牛乳を原料としたジェラート・スイーツの製造販売ショップ Sweets&Gelateria Baroque)
◇◆なぜ酪農業を始められたのですか?
12年間、東京でサラリーマンをしていました。今でも同じかもしれませんが、組織の中では、発言しても出る杭は打たれる、成果を出しても正当に評価されないことがあり、何か自分が納得できる形の働き方はないかと模索していました。自分で何か仕事を立ち上げようと考えていた最中、地元で酪農団地が立ち上がるというニュースを聞き、そのタイミングでUターンをしました。
◇◆牛舎内に音楽がかかっているのはなぜですか?
人間が音楽を聞くとリラックスしたり、楽しかったりしますよね?牛も同じではないかと思ったことがキッカケです。様々な音楽を牛に聞かせ、搾乳量を測りました。演歌、歌謡曲、流行歌、ディスコなど、色々試した結果、アップテンポな曲や人の声が入る曲は効果がなく、落ち着いたクラシック曲等がいいということが分かりました。現在流しているバロック音楽は、人間にとっても心地良いですし、牛たちも以前よりも良く寝て、良く食べるようになり、搾乳量が増え、生乳の質も向上しました。
(穏やかな表情で牧草を食べる牛たち)
◇◆牛を育てる上で、こだわっていることはなんですか?
よく私が考えていることは、酪農業は“牛へのサービス業”だということ。もの言わぬ牛の生活を、五感でくみとり、快適な環境をつくっています。それにより、牛たちは乳質と乳量で答えてくれます。
牛にとって良さそうなことはなんでもやってみました。
当牧場では様々な工夫を凝らしています。例えば、エサは、割合や内容を少しずつ変え、牛の食いつきを観察して最善のものを提供しています。酸味、塩かげん、香り。まるで奥さんが家族へふるまう料理のように考えて与えます。
県内トップクラスの乳質・乳量を誇っていることがその結果だと思っています。
◇◆牛舎内がとても綺麗ですね
牛舎をきれいにすることは、正直お金になりません。面倒なことだけども当然のようにやるのです。人間にとって居心地の良い牛舎は牛にとっても良い筈です。消費者の立場で考えた時、汚い牛舎で育った牛の牛乳が飲みたいでしょうか?こんなに綺麗な牛舎で育った牛の牛乳なら飲みたい!その牛乳を使ったジェラートが食べたい!と感じてもらえるよう努めています。
◇◆酪農で独立を目指す方へ
一般企業でも牧場でもかまいません、まずはサラリーマン(従業員)として働くことをおすすめします。社会人としての経験や酪農の技術を学ぶだけでなく、「従業員の気持ちを理解する」ことができるからです。あたり前ですが、独立すれば経営者となるわけです。従業員の目線に立って考えるための大切な経験となります。さらには経営者と従業員の立場、どちらに自分の適性があるか見極めることもできます。
経営者は固定給という概念などもちろんなく、良い意味でも悪い意味でも日々積み重ねた自分の行いがすべて自分に返ってきます。逆に考えれば自分が努力した分結果が出るということです。そこにやり甲斐を見出すことのできる方であれば、サラリーマン時代には得ることのできない充実した日々になりますよ。
(デイリーパラダイスの動物たちはみんな人懐っこいです)
◇◆取材を終えて
脱サラし、これまで長きにわたり酪農家人生を送ってきた伊藤さん。一つ一つの言葉に責任感や重みを感じます。最後の『酪農で独立を目指す方へ』の内容は、現在酪農家を目指している息子さんへのメッセージでもあるそうですよ。
今、伊藤さんが重要視していることは”人を育てる”ことだそう。それは酪農の技術だけではなく、一社会人としてどこへ行っても通用する人材を育てるということ。キチンと挨拶をする、ハキハキと丁寧に話す等のビジネスマナーを大切にしていらっしゃいます。「少々煩わしいことかもしれません。ただ、継続することによって本人に必ずいいことが返ってくるんですよ。」と暖かい眼差しでおっしゃっていらっしゃいました。
取材当日、牛舎に松の木を粉砕した粉を蒔いていらっしゃいました。匂い軽減と牛のリラックス効果を期待しているそうです。ウッディでナチュラルな癒しの香りに大きく息を吸い込みたくなりました。きっと牛も同じ気持ちなのでしょうね!
▼▼現在、デイリーパラダイスでは従業員を募集中です。
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http://www.agreen.jp/job/detail.php?job_id=186